大崎電気工業株式会社 様

2020年度

AR・AIなどを利用したQ.WoL・Eyeアプリで、 メーター設置交換に伴う作業の省力化を検証

2020(令和2)年度、企画開発室では大崎電気工業株式会社(本社・東京都)と共同で、同社が提供する「スマートメータリングシステム(SMS)」を導入する際の現場作業の省力化・効率化に向けた、AR技術の活用と、Q.WoL・Eye及びAI技術の検証に取り組みました。

SMSは、大型の商業・オフィスビル等のテナントや、居室の電気使用量を自動で収集するシステムで、既設の大型施設では従来の電力量計をスマートメーターに交換する必要があります。これまでは作業現場に、印刷されたメーターの管理台帳とデジカメを持参し、調査、新メーターの手配、交換作業、整合性確認などの作業を行ってきましたが、紙ベースではヒューマンエラーも多く、作業の効率化が課題視されていました。

今回検証したのは「AR技術+スマホ」と「AI技術+クラウド」の2つの技術を活用するもので、1つは、AR技術を活用したQ.WoL・Eyeをスマホアプリで利用できるようにするものです。このアプリではスマホのカメラ機能を使い、メーター実機と台帳の情報をスマホ画面で同時に表示、撮影した写真はクラウドへ送ります。スマホ上の台帳では、撮影したメーターとクラウドへ送ったメーターが一目でわかるようにし、撮影抜けがわかるように配慮しています。

調査作業に携わるスタッフからは、作業の標準化が期待できる点と、写真と台帳情報を一緒にクラウド上へ保存できる簡便さに評価をいただき、今後は業務アプリの本格制作を検討しています。

2つめの技術は、クラウドに送られた写真をAI-OCR(文字認識)により型式、メーター値などを自動認識させ、台帳の自動更新を行うものです。こちらは過去にデジカメで撮影したメーター写真を数千枚お預かりし、1つ1つ検証を行っています。

共同実証は昨年6月からスタートし、2020年12月にかけてアプリ開発を進め、2021年1月から3月までに3回、現場での実証実験を行いました。今回の技術検証では、日常生活で使うスマホが、現場作業の支援や業務改善にも活用できることも再認識されています。

今回の共同実証について、ご担当の方に振り返っていただきました。

課題解決への提案から広がる、次のステップへの可能性

大崎電気工業株式会社
技術開発本部
研究開発センター
基礎研究グループ 主任技師
金田安弘氏

別川製作所さんには、これまで様々な課題を相談し、解決へのご提案をいただいてきました。今回、メーター調査などの現場作業の簡素化ができないかというニーズに対し、AR技術やAI技術を活用したスマホを利用したクラウドの提案をいただきました。弊社でもスマホを利用したサービスはありますが、実際に自社の現場作業で使用したアプリはなく、今回のスマホアプリで現場作業の省力化などに十分解決できると感じ、満足感があります。今後はAI-OCRの精度をさらに上げるべく、検証を続けたいと思います。

現在弊社はお客様のエネルギーマネジメントへのAI導入も検討しており、今回の共同実証は次のステップに広がる可能性をも感じています。

現場作業の効率化に直結する実証実験を、実運用への足がかりに

SMSの立上げから約5年が経ちますが、特に大型店舗ではかなりの人員、日数を有しての人海戦術となっています。数十年前の古いメータもあり、スタッフのストレスとヒューマンエラーは看過できないものでした。開発担当の金田氏とは、つねに効率化を協議していました。

今回、スマホアプリを利用することで手書きの作業を大幅に改善できることは、ご協力いただく施工会社さんにも大きなメリットです。現場レベルの理想としては、スマホアプリで撮影し、クラウドのAI-OCRで必要なデータを読み取り、自動で更新できることです。まずはスマホアプリを実験して、来期以降の運用を計画しています。

大崎電気工業株式会社
営業本部
ESエンジニアリングセンター
ES技術課 専任マネージャー
福島崇氏