金沢工業大学(KIT)様

2021年度

金沢工業大学(KIT)と協同で、知と実を掛け合わせた新時代のソリューションを創出する、コーオプ教育への取組み

株式会社別川製作所と金沢工業大学(KIT)は、2021年5月に産学協同教育実施に関する協定書を締結し、9カ月間にわたって「コーオプ教育」に取り組みました。コーオプ教育とは、大学と企業が協同して学生に実践的な学びを提供し、実際の社会課題の解決に向けた開発も行う新たな産学連携の形です。

初めてとなる今回のコーオプ教育では、KITの松井くにお研究室に所属する工学部情報工学科4年の須山大輝さんと別川製作所企画開発室の中富ゆう子チームリーダーを中心に展開しました。LINEの活用に興味があった須山さんと、AIやIoTを用いた課題解決に挑む企画開発室がそれぞれに持てる知識と技術を集結し、人とモノをつなぐコミュニケーション(Q.WoL・Talk)技術を活用した「業務支援Bot」の開発を行いました。

2022年3月上旬、今回のコーオプ教育の報告会を開催しました。KITの大澤敏学長と当社の川島直之代表取締役社長も出席し、須山さんと中富チームリーダーが成果を発表。それぞれがコーオプ教育を通して得た経験と学びに温かな拍手が送られました。

今回のコーオプ教育について、大澤学長と川島代表取締役社長が振り返りました。

報告会をお聞きになっていかがでしたか。

大澤学長

学生にとっては今回のコーオプ教育が非常に良い経験になったのだと感じました。大学で指導する松井くにお教授も「須山君の顔つきが変わった」と講評するほど、御社の方々との関わりを通して、未来の技術者としても人間としてもたくましく成長したんだなと思います。学生を受け入れてくださったことに心から感謝しています。

川島社長

当社にとっても「別川製作所の未来を開発する」という意味で良い機会になりました。社内ではなんとなく暗黙の了解で済んでいたことも、学生さんの存在が刺激となり、曖昧だった点が明確になったり、基本に立ち返ることで共同研究のスピードが加速するといったこともあったようです。当社の最先端である企画開発室の仕事やその方式も標準化されたのかなと思います。

コーオプ教育にどんな印象をお持ちですか。

大澤学長

大学では知識や提案力を磨くことはできても、それが実社会でどう生きるのかを現実的に知ることができません。大学だけで学生を教育する時代は終わりました。企業と大学が協同し、それぞれ異なる世代やバックグラウンドを持つ者同士が関わることによって、多様化する価値観にも柔軟に対応できる人材の育成が実現できると思います。

川島社長

2022年2月に当社は創立70周年を迎えました。配電盤や制御盤の製造メーカーとして長く事業を展開してきましたが、真にお客様のご要望にお応えするためにも今後はハードウェアだけでなく、ソリューションを提供しなければいけないと感じています。ただ、デジタル化が急速に進むこの時代に我々の力だけではそれに追いつけない。教育機関やほかの企業とのパートナーシップを運用していく必要があると考えています。そのスタートとして貴学と一歩踏み込んだ形で実現した今回の連携は、当社が求めていたものでもありました。

DXにもつながるとの意見もありました。

大澤学長

DXは単にデジタル化するのではなく、意識改革だと考えています。デジタル技術によって職場環境や働き方を改革すると、もっと良いものが出来上がるというマインドを持つ必要があります。その意味で、御社と本学との共同研究が生み出した新しいイノベーションは、社会に貢献できるものだと感じました。

川島社長

今回の共同研究はLINEに着目したのが良い切り口でしたね。あらゆる企業がDXを進めていますので、そこに参入できる技術です。ハードルも高いと思いますが、今後の進展が楽しみです。当社もスマートファクトリー化の構想を練っているところですので、技術を紹介することによって新たな顧客開拓が実現するかもしれません。

今後の共同研究に期待することは?

大澤学長

参加した学生の姿に「新しい時代の学生像」を見たり、その後方に控える本学の教員や後輩学生との関わりにも価値を見出していただければありがたいです。大学の知識と御社の実践力をベストミックスさせ、VRやMRも当たり前に存在する新しい世界で共に社会に貢献していきたいですね。

川島社長

コロナ禍とその先の社会では、AIをはじめとする自動化が加速します。その中で残る人間にしかできないことの一つがホスピタリティであるコミュニケーション。AI を活用しながらも、貴学と当社の密なコミュニケーションを通して、共感性の高いソリューションを実現していきたいと思います。

PROFILE

大澤 敏氏

金沢工業大学(KIT) 学長

川島 直之

株式会社別川製作所 代表取締役社長