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工場のデータ収集へ、無線ネットワークの構築を検証

工場のデータ収集へ、無線ネットワークの構築を検証

VOL.4 実施場所:本社工場

2023年度

BCREERの様々なイノベーションを別川製作所の社内で実践的に活用する取組みを、担当者へのインタビュー形式で紹介します。BCREERのプラットフォームに現場からのデータを送信する際、新設工場の場合は収集したい場所にセンサーを設置してネットワークを構築し、リアルタイムで収集することが可能です。しかし既設工場の場合は機器や計器ごとにセンサーを設置し、電源工事やネットワーク工事なども必要になり、費用や手間が発生します。
その点、無線ネットワークを活用すればデータ収集は手軽に行えますが、閉鎖的で複雑な構造を持ち、鋼板製の機器が多く並ぶ工場施設では電波が干渉を受ける中でもスムーズにつながるかは不安があります。そこで今回は別川製作所の本社工場を使い、無線によるデータの通信状況を実地検証する取組みにチャレンジしました。BCREERのプラットフォームを担当する高筒正義へのインタビューを掲載します。

担当者:高筒正義(企画開発室)

株式会社別川製作所 企画開発室
https://creer.betsukawa.co.jp/

現場のさまざまな状況を「みえる」技術で共有
https://creer.betsukawa.co.jp/tech/iot/dx/index.html

インタビュー
高筒正義(企画開発室)

INTERVIEW

工場における無線ネットワークの壁

今回の取組はどういったきっかけで始まったのでしょう?

高筒 無線ネットワークの構築によりデータを簡単に収集できるようにしたいというニーズは以前からありました。
過去にもLPWAの無線ネットワークを構築したこともありましたが、中継器や受信機の設置場所で苦労したことがあり、安定した無線ネットワークを素早く構築するノウハウはデータ収集に欠かせないと考えたんです。

今回の取組について概要を教えて下さい。

高筒 ソナス株式会社様の「UNISONet」を展示会で拝見し、ネットワーク構築が簡単にできるということで、本社工場を使い検証しました。弊社の工場は約180m×120m余の面積を持ち、屋内は板金塗装エリアと組立検査エリアがほぼ半分ずつの比率で構成されています。塗装エリアには電着・粉体・溶剤などの大型設備が並び、組立検査エリアには文字通り製品を組み立てるための部品や機器が数多く置かれています。出荷先ごとに部品を自動で整理する大型立体倉庫もあり、実験にはとても適した環境です。まずは組立検査エリアに8台の受信機を設置し、機材にビーコンを取付けて、あるいはスタッフがビーコンを持って工場内を歩き回り、受信強度を測定していきました。

UNISONetによる良好な結果に実験エリアを拡大

実験結果はいかがでしたか?

高筒 UNISONetはメッシュ型のマルチホップなので、測定したいエリアに受信機を設置するだけで受信機同士が最適なネットワーク構築を行ってくれ、とても簡単に良好な結果を得られました。本社工場内には鋼板製の盤製品も多くありますが、そういった環境下でもUNISONetの電波もBluetoothの電波もスムーズに受信できています。その後ネットワークエリアを板金塗装エリアを含む工場全体に拡大し、2階建ての事務棟でも検証を行いいずれも結果は良好。わずか8台の受信機で本社工場全体にネットワークを構築できましたから、無線センサーに改めて大きな可能性をイメージできました。

実験と改良を重ね、無線ネットワークを製造現場へ

取組は大成功だったんですね、
今後に向けた課題と可能性もお聞かせください。

高筒 電源工事の手間を減らすためには受信機は電池タイプが望ましいと思っていますが、電池寿命を1年間持たせるためには通信間隔を調整する必要があります。また、Bluetoothに対応できるセンサーも検証して充実させていきたいですね。今回の方法では収集したデータはソナス様のIoTクラウドに蓄積され、API連携によりPilot_Creerプラットフォームにデータを統合するため、API連携の準備も必要になります。
今後も実験と改良を重ね、お客様には工場など製造現場のIoTとしても、低コストで導入できる無線ネットワークの1つとしてもUNISONetを提案できるようにしたいですね。

ソナス株式会社:次世代IoT無線「UNISONet」とは
https://www.sonas.co.jp/technology/unisonet

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